塗装後に「少し剥がれている気がする」「ここが膨れているかも」と気になったら、まず工事を担当した会社へご連絡ください。不具合かどうかをお客様ご自身で判断する必要はありません。担当者がお話を伺い、必要に応じて現地で状態を確認し、対応の必要性や方法をご説明します。
「連絡するほどのことかな」と迷うような小さな変化や、ご不安も遠慮なくお伝えください。実際に見ながら直接お話しすることで、気がかりが解消されることもあります。ここでは、塗装後に見られる剥がれ・膨れ・目地のひび割れについて解説します。
気になることがあれば、まず担当者へ
症状の名前が分からなくても、「塗ったところで気になることがあるので相談したい」で大丈夫です。まずお話を伺い、現地確認が必要かどうかを含めてご案内します。雨漏りや室内への水滴がある場合は、そのことをお知らせください。
高い場所へ上がったり、膨れをつぶしたりする必要はありません。地上の安全な場所から分かる範囲で十分です。
1.塗膜の剥がれ
塗膜とは、塗料が乾いてできる膜のことです。端がめくれたり、薄い皮のようにはがれたり、壁の一部分だけ違う色が見えたりする場合があります。
確認したいのは、新しく塗った部分だけが剥がれているのか、以前の塗膜や下地も一緒に取れているのかという違いです。同じ「剥がれ」でも、補修する範囲や下地の処理が変わるためです。
原因を考えるときのポイント
一例として、表面に塗料が密着しにくい処理が施された外壁では、適した下塗り材の選定が重要です。ただし、剥がれを見つけたからといって、下塗り材の選定ミスとは断定できません。既存の塗膜の状態や下地処理、水分の影響なども含めて確認します。
外壁材や以前の塗装、使用材料などの情報も、施工側が工事記録や現地の状態と照らし合わせて確認します。
剥がれの範囲や、どの層が傷んでいるかは、担当者が現地で確認します。お客様がほかの場所まで探したり、詳しい記録を作ったりする必要はありません。
気になる部分を自分で剥がしたりせず、そのまま担当者に見てもらいましょう。
2.外壁面や目地の上に生じる塗膜の膨れ
外壁の表面が、丸く持ち上がったり、部分的に浮いたように見えたりする症状です。小さなものが点在する場合も、広い範囲で生じる場合もあります。

症状の説明用イメージ(生成画像・当社施工例ではありません)

症状の説明用イメージ(生成画像・当社施工例ではありません)
膨れは、シーリング目地の上だけでなく、外壁面の塗膜にも起こります。予防のうえで重要なのが、下地の乾燥と、塗り重ねるまでの時間を十分に確保することです。
乾き切らずに残った水分と、日射による温度上昇
洗浄後の下地や以前の塗膜などに水分が残った状態で塗り重ねると、水分が外へ抜けにくくなることがあります。その後、天候が変わって直射日光が当たり、壁の温度が急に上がると、内部の水分が水蒸気になり、塗膜を内側から押し上げる場合があります。風船のような膨れが生じる仕組みの一つです。
表面が乾いて見えても、内部まで十分に乾燥しているとは限りません。下地の状態を確認し、使用する塗料の施工仕様に沿って、次の工程までの乾燥時間を取ることが大切です。
冬場は、外壁の塗料も目地材も待つ時間が変わる
気温が低いと、塗料の乾燥や硬化が遅くなります。シーリング材も冬場は硬化に時間がかかるため、上から塗装する仕様では、使用する製品と気象条件に合った養生期間が必要です。
ただし、シーリング材の硬化と、塗料や下地の水分が抜けることは同じ仕組みではありません。「どれも一晩待てばよい」とせず、それぞれの材料の仕様と実際の状態を確認します。
天気予報だけでなく、その時間の壁の状態を見る
施工では、気温・湿度・壁面の温度・日当たりに加え、雨や結露の影響も考慮します。冬の冷えた早朝は作業開始を遅らせる、夕方の結露までに乾燥時間を確保できるよう早めに塗装を終えるなど、状況に応じて作業時間や工程を調整することが必要です。
乾燥・硬化に必要な時間を確保できない日は、無理に次の工程へ進めません。塗れる温度や湿度、塗り重ねまでの時間は製品によって異なるため、メーカーの施工仕様を基準に判断します。
なお、膨れには結露、塗膜内に残った溶剤、雨水の浸入などが関わる場合もあります。乾燥管理は大切ですが、すべての膨れが乾燥不足によるものとは限りません。発生箇所と下地の状態を調べて原因を判断します。
「雨漏りがあるか」も別に確認する
外壁の膨れに加えて、室内の天井や壁に雨染みがある、雨の日に水滴が出るといった場合は、その情報も伝えてください。水の浸入が関係しているなら、表面を塗り直すだけでは原因が残る可能性があります。
一方、膨れがあるから必ず雨漏りしているわけでもありません。塗装した時期、壁の種類、どの層で浮いているかなどを合わせて確認します。
お客様には、気になっていることを普段の言葉でお話しいただければ十分です。担当者が状況を伺い、必要に応じて現地で膨れや壁の状態を確認します。
膨れを押したり、針を刺したり、高圧洗浄で取り除いたりせず、そのまま相談してください。補修は、原因を調べてから、傷んだ部分の処理や乾燥、塗装などの方法を検討します。
3.目地のひび割れ
サイディングの継ぎ目にある柔らかいシーリング材。その上に塗装をする仕様では、目地に沿って細いひびが見えることがあります。

症状の説明用イメージ(生成画像・当社施工例ではありません)
ここで大切なのは、目地の上にある塗膜だけが割れている場合と、シーリング材そのものが切れたり、外壁との境目から離れたりしている場合を分けることです。
塗膜だけが割れることもある
目地は、外壁の伸び縮みや建物の動きに合わせて変形します。シーリング材の動きに、その上の塗膜が十分に追従できないと、表面の塗膜にひびが入ることがあります。
このため、表面の細いひびだけを見て「目地の防水機能が失われた」「工事が必ず間違っていた」とは言い切れません。ただし、写真では深さを判断できないこともあるため、見た目だけで放置してよいとも決められません。
目地材まで傷んでいるなら、補修方法の検討が必要
シーリング材が途中で切れている、左右の外壁との間に隙間がある、目地の奥が見える、といった場合は、その状態を伝え、点検を依頼してください。表面を塗って隠すだけで済むかどうかは、別の問題です。
担当者が、表面の塗膜だけの割れか、シーリング材にも傷みがあるのかを確認し、必要に応じて写真をお見せしながらご説明します。
予防や補修の方法は、外壁材、塗料、シーリング材の組み合わせや施工順序によって異なります。「弾性のある塗料なら何にでも使える」「後打ちなら問題がすべて解決する」と一律には判断しません。
気になることは、まず施工担当者へご相談ください
塗装後に不安を感じても、「こんなことで電話していいのかな」とためらう必要はありません。まず施工担当者に声をかけてください。点検のための専門知識や、事前の調査・記録は不要です。
まずお話を伺い、必要に応じて現地で状態を確認します。そのうえで、「補修が必要なのか」「どのように対応するのか」をご説明します。お話だけで解消する疑問もあれば、実際に見て判断する必要がある症状もあります。状況に合わせて対応します。
写真は、安全な場所から無理なく撮れる場合に、状況を伝える補助としてお送りいただければ十分です。写真や書類の準備ができていなくても、ご相談いただけます。
よくある疑問
塗装後すぐの不具合は、すべて施工不良ですか?
発生した時期は重要な手がかりですが、それだけでは決まりません。既存の塗膜や下地、使用材料、施工の状況、水の浸入などを確認して判断します。早い時期に見つけた変化は、遠慮せず施工会社へ伝えてください。
小さい膨れなら、次の定期点検まで待ってよいですか?
大きさだけでは判断できないため、迷う場合はまず施工担当者にご相談ください。お話を伺い、必要に応じて現地確認を行い、確認の時期や対応をご案内します。雨漏りや室内への水滴がある場合は、早めにそのことをお知らせください。
保証期間内なら、無料で直してもらえますか?
保証の対象になるかは、対象部位・症状・原因・免責条件などによります。当社の工事保証とメーカー保証も、同じ条件とは限りません。年数だけで判断せず、手元の保証書と工事内容を確認します。
書類の違いは、外壁塗装の保証書と施工報告書でも紹介しています。
目地の補修は、外壁塗装パックに含まれますか?
塗りチョクでは、目地の打ち替え・増し打ちは塗装パックとは別途お見積もりです。既存の目地の状態と必要な工事を確認してご案内します。工事後の不具合に対する保証対応の可否とは、分けて確認する内容です。
工事後の気がかりも、施工担当者にご相談ください
塗りチョクでは、工事後のご相談にも、お話を伺ったうえで必要に応じて現地確認を行い、分かりやすくご説明することを大切にしています。施工した箇所について気になることがあれば、まず担当者へご相談ください。
塗り替え前の経年劣化について知りたい方は、外壁塗装を考える8つのタイミングをご覧ください。
技術上の参考資料(確認日:2026年11月7日)。アステックペイント AP ONLINEの以下の解説と、日本ペイント「冬場・夏場の外壁や屋根の塗装」、セメダイン「接着剤、シーリング材の施工可能な温度範囲」を参考に、お客様が相談する際の確認事項として独自に構成しています。実際の原因や適した施工方法は、建物・材料・現場の状態によって異なります。
